甲状腺眼症・網膜色素変性症の症例: 6年間、良好な視力をキープ

病歴

定期通院患者様の症例です。

東京都在住、50代女性。M様。バセドウ病と婦人科の病気があります。
2016年3月より月2回通院。

仕事の都合や緊急事態・まんえん防止の状況により、時々お休みを挟みながらも断続的に6年間治療を続けています。

2016年〜目の疲れ、違和感、甲状腺眼症により右目が引っ張られて上がってしまう症状あり。
2018年に網膜色素変性症の診断を受けました。

その後、視野の一部が欠けたり、夜盲を自覚するようになりましたが、針をしていると全体的に調子がいいとのこと。
婦人科の病気との兼ね合いもあり、甲状腺の数値が悪化して薬の量を増やした時期もありましたが、現在は落ち着いています。

最新の視力

最新の検査は2022年2月。

1回目、目が引っ張られてしまいまぶたが開ききれない感じがあって、数値が低く出ましたが、落ち着いてしっかりと目を開き、2回目計り直したら
右が1.2,左が0.6。
(元々左は乱視があり、子どもの頃から0.7)
初診時が1.0,0.5でしたから、これまでよく保ち、むしろ数値は良くなっていると言えます。

コロナ禍で通勤や出張の負担がなくなったことと、医師の診断書を職場に提出して仕事量を制限するようにしてもらったことが、体調にプラスに働いているとお話しされていました。

この2年間で体重が5kgも減り、人間ドックの数値が改善して医師や看護師から「どんなことをしたら、こんなに良くなるんですか!」と驚かれ、大変褒められたそうです。
甲状腺の数値も良好。
ご本人の日々の努力もまた、視力の維持によい影響を与えていると思います。

治療方法

治療方法としては、甲状腺眼症・網膜色素変性症の2つの病気に対応する治療を行っています。

M様は、時々、甲状腺の症状として全身の腫れとかゆみ、また手の指先に腫れ、赤み、出血やかさぶたといった激しい症状が出ることがあります。
2021年12月中旬〜1か月は指先の症状がひどく、洗い物やシャンプーをするにも分厚い手袋をはめたり、お休みせざるを得ないほど、皮膚の状態が悪化しました。
クリニックでも塗り薬の処方を受けましたが、ご本人曰く、あまり効いている感じはしなかったそうです。
鍼灸では1か月間、甲状腺の対策と患部の腫れをとって熱をさます治療を加えて行いました。

その後2週間ほどして手の赤みは減り、かさぶたが剥がれて、軽快していったとのこと。
M様は「針がよく効いたみたいです」と喜んでおられました。

長く通院されている患者様にはそのときどきによって様々な体調の変化があるものです。

ですが、初診時と比べ、視力が大きく変わらず保たれていれば、治療はうまく行っていると考えます。
今後も変わらぬ視力が保たれるよう、精一杯、治療させていただきます。

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