患者様から聞いた話: 健康法の「やり過ぎ」にはご注意ください

文京区在住、60代、Nさん。
症状: 難聴、音がこもっていて聞きづらい、音が割れる、耳鳴り、めまい。

2023年5月の新規患者様です。

これまでにオステオパシー、気功、整体など。いろいろ試して、そこでアドバイスを受けたことはなんでもやってみるけれども、なかなかうまくいかないそうです。
お話を伺うと、どうもNさんは敏感な体質のため、刺激過多になりやすいようでした。

例えば、お風呂に浸かると気持ちがよいのだけれど、次の日に疲れが出てぐったりしてしまう。スイミングがお好きで楽しく泳げるのだけれど、他の人と同時に受けるレッスンだと、上がった後どっと疲れが出て一週間も寝込んでしまうなど。

そこで、「私は毎日お風呂を張って湯に浸かりますが、5分で出てしまいます。たった5分のためにお湯を沸かすのはもったいないと言われますが、自分の健康のためにやっていることで、それ以上長く浸かると具合が悪いんです」
そうお話しすると、Nさんも「私も5分でたくさんなのかもしれません」と言っていました。

「スイミングも、他の人のペースに合わせようとすると運動量が多すぎるのかもしれません。一度やって、疲れを感じたなら、その次は半分の時間でやってみてはいかがですか」とアドバイスしました。

体力は人それぞれです。なにごとも、人と同じように考えるとやり過ぎになってしまうことがあります。

針治療についても同じで、Nさんには通常の半分の刺激量を基準として、針の数は少なく、浅く、針を置いておく時間も半分の時間にしました。それでも初回の治療が終わると目がぱっちり開いて、本人も「目が開きやすいです」とおっしゃっていました。その後は1日半耳鳴りが小さくなったそうです。Nさんにとって、十分な刺激量だったと思います。

敏感体質の人は「効いているか、効いていないか」わからないぐらいの少ない刺激量で回数を重ねないと、針が効く前に疲れが出てぐったりしてしまいます。
こういう方は、他の人と比べ刺激量の調節は難しいですが、針の効果がわかりやすい利点があります。

加齢と共に落ちた聴力を昔のような水準まで引き上げるのは難しいですが、血行を良くすることによってめまい、ふらふらを起きにくくしたり、耳鳴りを小さくするとか、複数の人が喋っている中でいろんな音を拾ってしまい聞き取りにくいといった症状の改善(=聞きたい人の声に集中して拾えるようになる)は期待できるでしょう。

治療前に「鍼灸でできること、できないこと」の区別をお伝えした上で慎重に治療させていただきました。

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