2018年3月より~2019年3月現在まで継続中の症例です。
現在10歳(初診時9歳)の男児、H君。栃木県在住。
先天性難聴で、聴力が両耳とも裸耳で65~70。小学校では補聴器をつけて勉強しています。
遠方から通院のため、月1~2日程度。毎回30分×2回ずつの治療をしています。
初めの頃は「小児はり」を使用した「刺さない」治療。半年経過した頃から「刺す針」も加えて治療しています。針の刺激にはもう充分に耐えられますが、刺激が強すぎないよう細い針を使用し、1回につき4本程度針をします。
H君は針を嫌がることもなく、置針中にストンと寝てしまうときもあります。
初めの頃はあまり変わりありませんでしたが、 8~12月頃より徐々に反応が良くなってきたそうです。
今までは聞こえていなかったような、小さい声でボソッと言ったことでも拾えるようになったと、ご両親共に感じるようになりました。(自宅では補聴器なし)
2019年3月。半年ぶりに耳のリハビリに行ったら、リハビリの先生から「半年で随分様子がちがう。以前より滑舌が良くなり、言葉の数も多くなったし、反応がよくなった」と言われたそうです。
人は言語を学習するとき、自分が聞こえた通りに真似して発声するものなので、難聴者は発声の仕方も少し「こもった音」になりやすいという特徴があります。滑舌が良くなったというのは、H君の聞こえ方が以前とは変化している可能性を示唆しています。
保護者とコミュニケーションを取りながら、今後とも精一杯治療させていただきます。