《コラム》鍼灸はなんのために

私ごとですが、時々眼圧が高いときがあり、2024年秋より点眼を始めました。
眼圧は日内変動の要素が大きいのでなかなか薬が「これ」と決められず、毎月通って眼圧をチェックしているところです。

今週診察室で待っていたら、隣の人の話が長く、なかなか終わらないので、壁越しに先生との会話の一部が聞こえてしまいました。
眼科医「視神経というのは抜け毛のようにして毎年何千本と抜け落ちてしまうんです。日本人は元々神経の本数が少ない人が多く、薄毛とおんなじですから、元々本数が多い人と比べると不利になります」

薄毛の話は、先生がいつも言っている定番の例え話です。
ですが、だれにでも同じ調子でお話ししているわけではなく、緑内障初期の人と、中期の人、後期の人とでは伝える内容も変わってくるわけですから、お隣の患者様に対してはやや深刻なトーンでお話されていました。

その会話を聞いていたら、やはり、眼圧だけチェックしていればいいというものではなく、今ある視神経を大切にして、経年変化に耐えられるようにしなければ……と思いました。
健康な人でも毎年同じように抜け毛はあるわけで、元々の毛がたくさんある人は抜け毛があっても目立ちませんが、薄毛の人は今ある毛髪をなるべく多く残すように努力しないと、将来、毛がないところが出てくるかもしれません。それと同じことです。

緑内障鍼灸の効果測定は難しいですが、「細く長く続ける」ことによって視神経の変化をゆるやかにして、人生の後半によりよい視野を残すことができることを目標にして施術をしています。

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