患者様から聞いた話です。
目の治療のため、2021年末頃から都内の某鍼灸院に通っていました。今年になって、施術の最後に行われたストレッチで肩に激痛が走り、院長は「まだ可動域がある」と言ってさらに広げようとしましたが、痛みがあってそれ以上の動きに耐えられなかったため、中止してもらったそうです。
その後専門医を受診し「外傷性の肩関節周囲炎です。リハビリのため、週2回通院してください」と言われました。2022年4月現在も痛みが続いているため、ブロック注射を受けています。
患者様は事故を起こした治療院に行くのを止めましたが、目の治療そのものはうまくいっていたということで、別の鍼灸院を探して当院にいらっしゃいました。
私は詳しい事故の状況をお聞きした上で下記のようなアドバイスをしました。
「肩関節はデリケートな場所です。『五十肩』と言いますように50代の肩は特に壊れやすく、なにもしなくても些細なきっかけで傷つき、内部に強い炎症を起こすことがあります。無理に動かしたり、強く引き伸ばすようなストレッチは禁物です。そのことは、治療家ならばだれしもわかっているはずなのですが……。
まずは、その先生に対し『外傷性の肩関節周囲炎』と診断名をハッキリお伝えし、自らの施術によって事故を起こしたという認識を持っていただきたいですね。その上で、われわれのような治療家は普通、自賠責保険に加入しているはずですから、ぜひ、賠償請求をなさってください。
治療費は全額保険会社から支払われますし、これから週2回も貴重なお時間を割いてリハビリに通わなければならない。その通院回数に対して慰謝料が算定されるはずです」とお話ししました。
そのような怖い思いをした後で、それでも《鍼灸》に希望を持って来てくださったこと。次の選択肢として明眸治療室をお選びいただいたのは、ありがたいことです。
本来なら事故を起こしたらすみやかに保険会社に届け、患者様に賠償するべきですが、患者様自身が損害保険についてご存じでなかったり、あるいは事故を起こした治療院とこれ以上関わりたくないと思われたり……。様々な事情によって報告をせず、泣き寝入りをしたというケースを過去に何度か耳にしたことがあります。
「事故を起こした」という認識がなければ、何度も繰り返してしまう可能性が高いですから、まずは事故の報告、続いて賠償請求を行うよう患者様におすすめいたしました。
2022年9月更新:一部の表現について改め、記事の修正をおこないました。