紹介状の取り扱いについて

患者様から、しばしば「病院を変えたい」とご相談を受けます。
過去のブログでも何度か取り上げてきましたが、その際、ちょっと気を付けていただきたいことがあります。

毎回の視力検査、眼圧、視野検査など、医療の記録は患者様の過去の病歴がわかる大切な情報です。
病院を変える際にもそうしたデータが引き継がれるように、できれば紹介状を書いてもらって転院するのがベストです。

例えば「引っ越しをする」とか「通院の都合がよい近くの病院に移りたい」など、わかりやすい理由があれば、紹介状を書いていただくお願いもしやすいでしょう。
次にかかる病院が決まっていなくても書いてもらえるケースもあります。

紹介状を持って次の病院に行きますと、新しい医師から、紹介状を書いてくれた前の医師に返事(返書)を書くのが普通です。
患者様の最新の情報と共に「ご紹介ありがとうございました。今後当院で経過をみさせていただきます」など一筆書いてあります。

紹介状(診療情報提供書)に書いてあるのは患者様の情報ですが、医師から医師へわたす「信書」であり、ほかの人が見ることは想定されていません。患者様がルールを破って中身を見ると、医師との信頼関係を壊してしまいます。

信頼関係がなければ医療は成り立ちませんので、紹介状は大切に取り扱ってください。

経験豊富な医師ほど、紹介状を多く書いているものです。
患者様の都合で病院を変わることについて、気を悪くすることはありませんし、「はいはい」と二つ返事で書いてくださるケースが多いでしょう。理由を言いづらければ「家の事情で……」「通院の都合が悪くなりまして……」など、ぼかしてもいいと思います。

そうでなければ、紹介状なしでよろしいでしょう。どちらのケースもよくあることです。参考になさってください。

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