症例: マスクかぶれなどで、くちびるが荒れる

目の治療でお越しのA様。敏感肌でしょっちゅう肌荒れしてしまい、特に口のまわりの腫れがひどく、3月にお越しの際は痛々しいほど腫れて赤く膨らんでいました。

「これではマスクを付けるのもつらいですね」
お話をうかがうと……
「皮膚科に行くとステロイドの薬で一時的に良くなるのですが、結局は皮膚が薄くなってしまい、また荒れるんです。なので皮膚科に行くのはやめて、敏感肌用の保湿剤を使っています。しばらく付けて良くなってきたので、別のを使ったら、また赤くなってしまいました」

東洋医学的にはくちびるの荒れは「胃熱=消化器に熱がこもっている」と考えます。春先に特に多い症状です。
「食べ過ぎなどで胃が荒れていると、なりやすいですが……いかがですか?」
「思い当たるところがあります」
A様は、目の病気のため、「冷え体質」改善のために、体を温める性質の食べ物を多くお摂りになっているそうです。好きでもないのにレンコンなどの根菜を多く召し上がっているとか……。
取り急ぎ、注意点をお伝えしましたが、まとめるとこうなります。

  • お肉(牛肉、豚肉)には体を温める性質があるので、摂りすぎないようにしてください。
  • 同じく、根菜の摂りすぎにも注意してください。(繊維質の摂りすぎによって消化器に負担をかけているかもしれません)
  • 夏野菜には体を冷やす性質があります。夏野菜もバランスよくメニューに取り入れてください。
  • 水分もしっかり摂ってください。
  • 「食の偏り」は「心の偏り」「体の偏り」につながります。なにかに偏らず、なんでもバランスよく召し上がっていただくのが一番いいです。

胃熱がこもると、冷たいものが欲しくなります。アイスクリームが好きな方、くちびるが切れやすいとか、口内炎ができやすい方も、症状として当てはまるかもしれません。
ですが、一部分の症状だけを気にするのではなく、あくまでも心と体、全体のバランスを見て考える必要があります。

食生活の健康(食養生)は難しいものです。私も実践の中で日々学んでいます。
食養生に興味のある方はお近くの鍼灸院、漢方専門薬局、中医師にぜひ、おたずねください。

関連記事

  1. 足の骨折・捻挫の症例
  2. 妊婦の症例: 逆子の灸
  3. 症例:治りきらないしぶとい五十肩の痛み
  4. 患者様の声:肩甲骨の痛み
  5. 《コラム》せんねん灸の年越しキャンペーンが始まります
  6. 新型コロナウイルス後遺症の治療について感想

症状別にブログを読む

最近の記事

PAGE TOP