難治症例: 右目の斜視と原因不明の複視(ものが二重に見える)

症状

2021年9月の症例です。
東京都北区在住。50代男性、N様。
数年前に右目の上下斜視を発症し眼科に通院しています。
2021年3月右目の眼筋にボトックス注射を打ちました。しばらく過矯正でしたが2か月ぐらいするとちょうどいい状態になりました。現在は元に戻りつつあります。ボトックスは数か月で効果が減じるため、定期的に続ける必要があります。
現在、右目単体での視力が低下し「ものが二重に見える」現象に悩まされています。コンタクトやめがねでは矯正できないそうです。
眼科では原因不明のため、治療は難しいと言われました。

針治療の目標

N様より、この症状は鍼灸で対応可能でしょうか?と質問され、
「斜視や視力低下については対応可能ですが、ものが二重に見えるという現象は原因がわからないので簡単ではないと思います」とお答えしました。
まずは5回の治療で少しでも改善が見られるか試していただくようご提案しました。

治療は眼筋に関係するツボを重点的に使用しました。
合わせて目の周りの血行を強力に良くする治療法も行なっています。
低周波治療器を使用し、顔の周りの筋肉に弱い電流を流す治療を試みました。

効果・感想

5回の治療でN様の感想は……
「ピント調節についてはいいような気がします。
ものが二重に見える症状は変わりません。針治療でレンズの歪みが取れるのかどうか疑問です」とのこと。

私の見解では、針治療で角膜の歪みが取れるとはいえません。
それ以外の原因、例えば水晶体の老化現象、あるいは網膜のむくみなど血管の老化に関わる問題であれば針治療によって改善の余地があると考えます。
その旨N様に説明し、5回目の治療後1日経って効果を感じたなら、また治療に来てくださいとお伝えしました。

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