症例:治りきらないしぶとい五十肩の痛み

2024年3月の症例です。
目の治療のため来院した新規患者様。O様。50代。
以前にセタガヤ治療室に通院していたそうで、免許更新のため、久しぶりにお見えになりました。

「コリがひどいとのことですが、普段はマッサージや整体などに行かれるんですか?」
肩こりは目の疲れと密接に関係するため、治療中に普段のケアについて質問することがあります。
「実は五十肩で……。だいぶ良くなったんですが、マッサージやブロック注射など、いろいろやりました。整形外科での注射はよく効くんですが、生理食塩水なのですぐに吸収されてまた痛くなってしまうので……最近はステロイドもやっています」
「五十肩でステロイドとは、深刻ですね。今日は、お灸を試してみてもいいですか?」
「はい」

座った姿勢になってもらい、上腕二頭筋長頭腱、大円筋、小円筋あたりのツボをねらって4箇所お灸をしました。
当院では昔ながらの灸、温灸、筒形、灸頭針など、いろいろ取り揃えています。今回は、昔ながらの熱〜いお灸です。
「どうですか?」
「アッ、すごくいいです」
肘を後ろに回す動きがスムーズになりました。腕を真上に上げ、耳の横にピッタリ付けようとするとまだ痛みがあるそうです。

次は横向きになってもらい、脇の下、肩甲下筋をねらって2箇所お灸をしました。
「これでどうでしょう?」
今度は耳の横にピッタリ付きました。O様は元々柔軟性が高く、普通の人以上によく動かせる体質のようです。

症状が1年以上あり、いろいろやってもしぶとく残っていたのに、米粒の半分ほどの小さなお灸×6箇所で改善したため、O様は驚いていらっしゃいました。(鍼灸院ではよくあることです)

肩甲下筋というのは自分ではアクセスしにくい位置にある筋肉ですので、セルフケアをするのは難しいでしょう。治療に行っても術者がここを見落としていると、治りきれないケースもよくあります。

次の週、来院時に体調をおたずねしました。
「治療後、目はすっきりして見やすかったですが、今はまたぼやけています。肩はお灸した後、すごく調子がいいです」

O様には免許更新まで隔週単位の短期集中コースをご案内しています。
肩の状況ですが、深部の筋肉に軽い癒着(コリの固まりのようなもの)がしぶとく残っていると考えます。お灸と自宅でのヨガ、ストレッチ(運動療法)を何度か交互に繰り返しますと、癒着が解消され、元通りに近づくでしょうとお伝えしました。

お灸はこのように、シャープに「急に効く」ということがあります。
五十肩の後遺症をしぶとく引きずっている方は参考にしてください。

関連記事

  1. 妊婦の症例: 逆子の灸
  2. 症例: マスクかぶれなどで、くちびるが荒れる
  3. 《コラム》せんねん灸の年越しキャンペーンが始まります
  4. 新型コロナウイルス後遺症の治療について感想
  5. 足の骨折・捻挫の症例
  6. 患者様の声:肩甲骨の痛み

症状別にブログを読む

最近の記事

PAGE TOP