明眸はり治療室

緑内障とは

緑内障とは、さまざまな原因により、視神経が障害される病気です。多くの場合、ゆっくりと進行していきます。
一度ダメージを受けた視神経が元に戻ることはありません。そのため、できる限り進行を遅らせることを目的として、様々な医学的治療（点眼・内服・レーザー・手術治療）を行います。
緑内障には高眼圧と正常眼圧の2つの場合がありますが、いずれしても、眼圧をできる限り低く保ち続けることが望ましいです。

緑内障専門の鍼灸のおもな目的

1. 緑内障になる前・緑内障疑いの方

「視神経乳頭陥凹（ししんけいにゅうとうかんおう）」と言って、視神経の一番重要な先端の部分にへこみが見られる人がいます。こういう人は、定期的な眼科通院が必要です。

また、近視が強い人や家族や親戚の中に緑内障の患者がいる人も、リスクが高いため、定期的なチェックが必要です。
眼科で「治療の必要はありません」と言われると安心して検査に行かなくなってしまう人がいます。しかし、緑内障の初期にはまったく自覚症状がありません。
つまり、症状を自覚したときには、それだけ悪化しているということです。そういうことにならないよう、症状がなくても定期的に眼科を受診し、ベストのタイミングで目薬の治療を始められるように心の準備をしておいてください。

当院ではこのような方を対象として、自律神経を整え、心身のストレスを緩和し、目の周りの血行を良くして、むくみを解消させる施術をしています。また首から上の血行をよくすることも重要です。首や肩のこりがひどい場合にはこりに対処します。

2. 正常眼圧内であるが、眼圧が高めの方

教科書的には、21mmHgまでは「正常眼圧」に分類されます。
これより眼圧が高くても視野の変化がなければ「高眼圧症」、視野の変化があれば「緑内障」です。
また、眼圧が正常範囲内でも視野の変化がある人は「正常眼圧緑内障」といわれます。

当院に来院する多くの方が「正常眼圧　緑内障」の患者様です。こうした方は、10〜21mmHgの間でできる限り眼圧を低く抑えることを目的として目薬を処方されています。
眼科での治療は、もちろん、そのまま続けていただきます。

当院では、鍼灸によって目の周りの血行を良くし、眼房水の循環を安定させて眼圧を下げることと、視神経に向かってより多くの血液を送り込むことを目的として施術を行なっています。

眼科で測ったときには眼圧が低くても、もしかしたら深夜や早朝に眼圧が高い時間帯があるかもしれません。24時間、365日の中で見たときに、なるべく眼圧を低くキープし続けることが重要です。
針はその一助としてお考えください。

3.緑内障初期〜中期

当院に通院中の患者様は初期〜中期までの方が多いです。

鍼灸によって首・肩・目の周りの血行を良くし、眼圧を安定させ、視神経により多くの血液を送り込むことをおもな目的として施術を行なっています。
自律神経を整え、心身のストレスを緩和、むくみを解消させることも重要です。

緑内障の患者様は、視野検査の結果をお持ちでしたら、見せていただけると施術計画の参考にさせていただきます。
ご自身が初期〜中期〜後期までのどの時期にあたるのか、よくわからない方はお電話でお問い合わせください。

まとめ：鍼灸の対象となる方

• 今は緑内障ではないが、緑内障になるのではないかと心配する人
• 視神経乳頭陥凹・眼圧が高い・強度近視により経過観察中の方
• 緑内障初期〜中期
• 緑内障のほかに耳鳴り・難聴の症状がある方

モデルケース

• 視野障害がない・もしくは軽度の方……月1回通院
• 視野障害がある方……月2回通院
• 眼圧を下げたいなど、具体的な目標がある方……週1回通院

【出典】
図1：参天製薬によるリーフレット「眼圧検査結果のみかた」
図2：参天製薬によるリーフレット「眼底検査結果のみかた」
図3：『よくわかる病態生理13　眼疾患』日本医事新報社,2009年